2017年4月、友人から「産まれて母ネコに育児放棄され、動物病院で育ててもらっている子猫がいるのですが、会いに行きませんか?」と誘われた。広島・三原の動物病院で、生まれて一カ月も経っていない子猫に会いました。
病院の奥、入院中のワンちゃん・ネコちゃんがいる部屋で2つのケージに別々に子ネコが。どちらも模様は同じ、「どちらも男の子です」付き添っていた若い看護師の女性が紹介してくれた。
「出してみますね」
テーブルに出された2匹はうれしそうにじゃれあって遊び始めた。片方のコがもう一方のコの首にかみつた。そこで看護師は再び2匹をケージに戻した。噛まれたコは右のコ。
「どちらにしますか?」
そうか、そういうことだよね。
私は2つのケージの中をのぞきこんで「家に来る?」と話しかけた。
右のケージのコがまばたきして首をかしげた。ウインクしたように思った。
「右のコを」
1週間後、4月19日。友人とホームセンターに寄ってトイレ、ネコ砂、ネコミルク、赤ちゃん用レトルトを買って、迎えに行った。
「もう1匹はどうするんですか?」聞くと、「病院の近所でペットショップをしている人に決まっています。先に決めて構いません、って」友人は答えた。
キャリーに入ったコは家に来る途中、「な~お!」と鳴いた。
「家に来るまで出せませんよ」
そんな会話をしながら小一時間のドライブをしてそのコを連れてきた。
家にきて歓迎の証でネコミルクとレトルトスープを。がっついてしばらくこの食べっぷりが続いた。
















