荒川に現れる怪物達
荒川は怪物談の発生しやすい場所で、かつて怪物の巣窟であったとされている。スナメリ、半魚人、巨大亀、巨大緋鯉、槙の屋のおぢなどが、目撃されている。スナメリとはイルカのような生き物で体長140〜170?あり荒川の放水路で捕獲されているが、インド洋、東シナ海から日本にいたる太平洋沿岸に棲息しており、川に迷い込むのは、いたって珍しいのだ。また荒川から、深夜半魚人があがって来て町うを徘徊するという、目撃談もある。巨大亀に至っては、昔、左甚五郎という人が日光に行く途中、千住の河原で船を待ちながら砂地に亀を描いた。その亀が荒川の主となったという伝説がある。荒川の町屋8丁目付近、荒川田の原でのこと、ここに体長約180?の巨大緋鯉がいた。この鯉が現れると水面が真っ赤になるほどだった。ある時花見の見物人に片目をつぶされたため、大水を起こし、それ以来、姿を現さなくなった。また、槇の屋のおぢとは大蛇のことであり、少女の喉に刺さった刺を抜いて助けたという。