CD本|棒手振りの辰 前編 山際新吾

小説・ノンフィクション>歴史・時代小説

江戸の魚売り・棒手振りの辰蔵の出生を巡って騒動が起こった。老中田沼意次、徳川御三卿、幕府お庭番、忍者、時の実力者が、その和子の存在を知り陰謀が蠢いていく!

棒手振りの辰 前編

棒手振りの辰 前編_表紙 山際新吾/著
レーベル/タイクーンブックス
シリーズ/山際新吾作品集
発行/タイクーン
価格/800円(税別)

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もくじ

棒手振りの辰 前編

登場人物紹介──4
第一話「魚河岸の若鷹」──7

第二話「家宝」──65


内容紹介

 そのとき、鳥の鳴き声がした。
(梟か……)
 辰蔵がそう思ったとき、塀のなかにいる銀之丞たちは、左門の合図を聞いた。
 銀之丞はあの細長い箱を、小脇に抱えていた。
(何、門の外に人がいる? どういうことだ)
 銀之丞は手下に指示し、盗みを中断させた。
「オイ。引き揚げるぞ」
 銀之丞たちは床下から外に出ると、風呂敷包みを手下に背負わせ、裏門に急ぐ。
(逃がすか……)
 佐吉は背中の脇差を抜くと、素早く盗賊たちに斬りかかった。
「ゲッ!」
 盗賊の一人が佐吉の脇差を肩に受け、胸まで断ち割られ、一瞬にして絶命する。
「何者?」
 銀之丞は大刀を引き抜きざま、佐吉に斬りかかる。佐吉は一尺ほど身を引き、寸前で切っ先きをかわす。
 大風呂敷を背負った盗賊は、急いで門を開こうとしていた。
 それを守るように、もう一人の仲間が匕首を抜き、佐吉に向かって構えた。「どけ。お前たちは逃げろ」
 銀之丞は手下を押しのけ、佐吉の前に立ちはだかる。
「大丈夫ですか、お頭」
「行け。ここは俺一人で充分だ」
 銀之丞は目を離さず、佐吉に右上段の構えをとる。佐吉は下段に構え、睨み合った。
「ウ!? 何だ、あの音は」
 寝ていた重兵衛は飛び起きると、床の間の刀を取り、行燈の灯を強くし、周囲を見回した。
 気配を察したのか、鈴江が声をかけながら入ってくる。
「殿様、どうされました!?」
「庭から変な物音がした。他の者をすぐに起こせ」
「はい。すぐに」
 鈴江は家中の侍たちが、寝ている部屋に駆け出す。
 外にいる辰蔵は、屋敷の騒がしい物音を聞き逃さなかった。
 門が開いた。月明かりの下、門から出てくる人影が二つ。
「賊か!? 大へんだ。武藤さまは、ご無事か」
 辰蔵は、天秤棒に仕込んだ小太刀を抜き、裏門に向かって走り出した。


解説

日本の歴史考証の第一人者である、山際新吾の壮大な歴史小説。この小説は剣劇としても面白いことは勿論、江戸の町割、堀割が、さらに江戸の武家・商人の生活様式が蘇ったようによく解る作品になっている秀作である。前編あらすじ・徳川第十代将軍徳川家治のころ(1700年代後半)、江戸の魚売り・棒手振りと呼ばれた行商があった。魚河岸の若鷹と呼ばれる小太刀の天才、魚辰の辰蔵は極秘で育てられた出生を持つ。次期将軍を巡る暗闘のなか、その出生を巡って騒動が起こった。老中田沼意次、徳川御三卿、幕府お庭番忍者の頭目猿の佐吉ら、時の実力者が、さらに、お庭番に対抗して現れた謎の忍者集団が、その和子の存在を知り陰謀が蠢いていく。


著者プロフィール

山際新吾●1960年青森県生まれ。
國學院大學大学院卒。坂口拓史に師事。歴史小説を得意とする。
日本の歴史考証の第一人者。


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